私は生まれてこの方、
誰かに容姿を「美しい」という基準で褒められたことはない。
ブス人生のはじまり
今でもはっきり覚えているのが、小学校4年生のころの話。
実の母に、何気なく「私って、かわいい?」と聞いてみた。
もちろんこれは「当たり前じゃん!あなたは世界一かわいいよ!」待ちの質問であり、当然この答えが返ってくるものだと思っていた。
しかし。
「うーーーん……… 真ん中くらいのかわいさ… かな?」
真ん中… 真ん中!? この私がっ!?
なぜだかわからないけれども、この時まで私は、同級生の男子たちから好意を寄せられたこともなく周りの大人たちから「かわいいわね~」などと容姿を褒められたこともないくせに、
「自分はかなり、かわいいんじゃないっ!?」
という自信に満ち溢れていたのだ。末っ子だということもあり、両親が蝶よ花よと育ててくれたおかげで、自己肯定感が爆上がりしていたのであろう。大感謝である。
きっと母は、こんな私の肥大化した外見への思い上がりに、薄々気付いていに違いない。
「小学校4年生… そろそろこの子にも、真実を伝える時がきたか…」
そして真実を、愛する娘のために、オブラートに包みに包んで絞り出した一言が、
「真ん中くらいのかわいさ」
25年以上経った現在でも、母の困ったような作り笑いと、とてつもなく言葉を選んでいたであろう、なんともいえない間を覚えている。
つまり私は、ブスだったのだ。
ブスを気付かせない罠
母の一言を受けた当時の私は、まだ自分が「ブス側」にいることを自覚できず、「真ん中くらいのかわいさ」をありのまま受け入れていた。
自認は、「クラスで3番目くらいにかわいい」→「クラスでそこそこかわいい」くらいの、あまっちょろいダウングレードだった。
なぜこのような事故が起こってしまうのか。
それこそが「ブスを気付かせない罠」、つまり、「思いやりの心」である。
人々の思いやりの心が、ブスである私をフォローするために、いろいろな言葉で、ブスポイントをいい感じに言い換えてくれていたのだ。
私の心は傷つくことはなかったけれども、一方で自分の「ブス」に長い間気付くことができなかったのである。
その一部を紹介する。
罠① 「歯並びがきれいだね!」
これは本当によく言われていた。し、自分でもずっと「歯並びがいい」と信じ込んでいた。
なんと25歳まで、自分の好きなところなどを聞かれた時には、
「歯、ですね!歯並びがよくて、それが自慢なんですわ!ははは!」
くらいのことを言っていた。
確かに正面からみれば、上下とも歯がぴしっときれいに並んでいて、虫歯になったこともなく、すべての歯がぴっかぴかできれいな歯だった。
あれは確か25歳の時。付き合っていた彼氏と晩御飯を食べていたら、突然、
「すずの横顔さあ、エイリアンにそっくりだよね!」

と明け透けに言われた。母の一言同様、これまた全身に衝撃が走った。
直後、自分の横顔を撮ってもらい、エイリアンの横顔と見比べたら、激似すぎて二人で涙が出るほど笑った。
いかんせん。私の歯はきれいには並んでいたが、
めっちゃくちゃ出っ歯 だったのである。
本当に信じられないのだが、25年間、親からも誰からも指摘されたことがなかった。
そして1か月後には、「自慢の歯」なんてものは記憶から抹消し、歯列矯正をスタートしたのであった。
罠② 「スタイルがいいね!」
これも本当によく言われた。
私は幼少期から身長が高く、常に一番後ろか、後ろから2番目くらいのポジションにいた。
さらに、大学で一人暮らしをするまでは、「食べること」に心底興味がなかった。
高身長であるにも関わらず、常に体重は「痩せ」ライン。
血液検査をすれば、「貧血」で毎回ひっかかる。
「服が入らない」なんてことは一度もなく、中高時代はギャル全盛期でもあったため、タイトなミニワンピを着まくっていた。
「スタイルがいいね!」とあまりにも言われるので、お恥ずかしながら、自認はまじでモデル気分だった。
当時20歳。大学の友達にヘアセットをしてもらっていた。すると突然!
「すずってさぁ、顔大きくない!?」
もうめちゃくちゃ衝撃だった。
その友達こそ、まさにモデルのような小顔・長身スタイルの持ち主だったのだが、自分の頭を触った時の感覚と違いすぎて驚いたのだと思う。
私は、スタイルがよかったわけではなく、細かっただけ。
本当の私は、顔がでかい、ただのカリカリだった。
※ちなみに、もちろん脚も短い
※そして細かったのはこの頃までで、社会人になってから +15kg爆増します。
まだまだ罠はあるのですが、書き始めると当時の記憶が猛烈に沸き上がり、恥ずかしいやらなんやらの気持ちで書き終わりそうにないため、今日はここまでにします。
また思い出したら、ちょこちょこ書いていこうと思います。
読んでいただき、ありがとうございました!



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